2歳児の発達の様々な側面
1 言葉も行動も目覚ましく発達する時期です。
1)全身運動
歩く力(距離や変化に応じた歩行の安定)が増すと共に、走る、跳ぶ、よじ登るなどの力も育ってきます。階段によっては一段ずつ足をそろえて上り下りできるようになり、次には足を交互に出して上り、一段ずつそろえて下るようになります。全身運動の発達により、遊びの幅が広がります。大人と追いかけあいや、他児同士での走りまわりを楽しむ姿、斜面をよじ登り、はって下ったり座ってすべり下りる姿や立ったまま上ったり下ったりすることに挑戦する姿も見られます。両足跳びができるようになり音楽に合わせてのリズム遊びを楽しむようになります。
2)手指の操作
片手に茶碗を持ち、もう一方でスプーンを持ってすくって口に運ぶというように両手で食器を扱いながら食べることが上手になります。両手の指先を使ってホックやボタンをはめるなどの操作ができるようにもなります。粘土を手のひらを使って細くしたり丸めたりして意味づけ(ヘビ・ダンゴ等)ができるようになったり2歳後半になると閉じた丸を描けるようになったりします。
3)認知
シャツの模様が他児と「おんなじだ」と共通性を見つけたり大きい・小さい・長い・短いなどの関係が分かるようになります。「~してから…する」「~だから…する」などの事情の関係づけができ順番を待ったり見通しをもった行動ができるようになってきます。
4)言語・コミュニケーション
語彙が増し三語文・四語文を話せるようになります。「これ、何?」と物の名前を尋ねて答えてもらうことを繰り返す姿も見られるようになります。「もっとちょうだい」から、更に「もっと、おつゆちょうだい」と言えるようになるなど、要求の表現も状況に応じて変えられるようになっていきます。
状況により思い出したことを話してくれるようになったり、目の前にないことを話題にしたり子ども同士で会話をする姿も見られるようになります。
しかし話したい内容を子どもだけで言葉にするのが難しいことも多く大人が手伝って言語化することも必要になります。
5)対人関係と自我
遊びや生活の中で、「自分でする」ということが多くなります。また2歳児がよく使う「みてて」という言葉には「大人は手を出さないで自分だけでやらせて」という自己主張の意味と「そこで見守っていて」という依存要求が込められています。これらのことは、大人との関係における2歳児の特徴です。子ども同士の関係では「一緒にしよう」と遊びに誘ったり隣に座りたがるなど他児との関係が見られるようになります。相手が使っている時は少し待ったり、自分が使い終わったら貸すこともできるようになってきます。しかしいつも順調にことが運ぶとは限らず「だめだよ」などの言葉からケンカになることもあります。
■2歳児期で大切にしたいこと
2歳児後半の子どもたちは、目的に向けて一連の動作をし行動する(食事の前に手を洗う・せっけんを泡立てて手をこすったら水で洗い流し手を拭くなど)ようすが見られます。毎日繰り返されていることでは「~だから…する」「~したら…する」という関係が分かって行動できるようになります。しかし、途中で気持ちが他に向いてしまったり大人の手助けを求めたりもします。大人は子ども達の認識の発達を踏まえ、場面での支えを大切にしながら見通しをもって行動する力を育てていくことが重要です。2歳頃になるとその子らしさがはっきりしてくるので、大人がどのように受け止めるかがその子の人となりを決めるカギになります。
行動面では動きが活発でじっとしていない、次々と遊びを変える、思い通りにならないとかんしゃくを起こす、ひっくり返って泣く、などの行動が見られます。禁止の言葉、制限の言葉、怒りの言葉、叱りの言葉などが多くなると子どもは自分を表現しなくなり大人の言うことを聞かなくなります。
第一次反抗期に入ってくるので人の言うことをきかなくなるがこれは順調に育っている証拠です。だたし子どもは大人が自分の言いなりになって何時でも思い通りになるということが分かると、わがまま・身勝手となります。逆に常に子どもの要求がかなえられない状況に置かれると、自己表現が下手になり、社会性も育たなくなりはにかみ・引っ込み思案・友達ができなくなることもあります。